芹沢さん暗殺予定日まであと三日。
私は芹沢さんの部屋に来ていた。
新見さんが法度を破ったとして料亭で切腹させられ、葬儀が終わった。
芹沢さんはどこか無理に笑っているように見える。
それもそうか。右腕であった新見さんが亡くなってしまったのだから。
「芹沢さん、無理しないでください、ね?」
私は芹沢さんの顔を覗き込み、そう言う。
「なぁ美奈。
そろそろ濃も殺されるのであろう?」
「っ…!!
そ、そんなわけないじゃないですか。
芹沢さんはここの局長ですよ?
殺されるわけないじゃないですか。
だめですよ?そんな冗談言っちゃ。」
「はは、そうじゃな…。」
芹沢さんごめんなさい。
嘘をついてしまって。
あなたを見殺しにするようなものだけれども、どうか、どうか許してください。
私は心の中でそう願った。
それからは芹沢は「濃がいつまでも落ち込んでいては皆に合わせる顔がないよな」と言って、いつものように戻っていた。
そして芹沢暗殺日当日。
角屋にて宴が開かれた。
芹沢がデロンデロンに酔い床に就いたところを狙う。
史実で行けばそんな感じ。
今回は、史実は曲げちゃいけない。