その後、近藤さん、土方さん、山南さん、新見さんなど順々にお酌をして回っていく。




「次は沖田さんのところか。

永倉さんはうるさいけど、一番最後にお酌してこう。」



私は沖田さんにお酌をしに行く。


「沖田さん、お酌します。」


「美奈さん、ありがとうございます。」



沖田さんの席の向かいは平助君。
私は平助君の方をちらっと見た。



すると、平助君の横には舞妓さんがお酌をしていた。
平助君にべったりとくっつく綺麗な舞妓さんに僅かな嫉妬を覚える。


「平助、ですか?」

と沖田さんに声をかけられ、びっくりする。



「気づいちゃいました?」


ちらっと見たつもりがおもいっきり見ていたみたいで、バレバレだったみたいだ。



「平助、あれはいけませんねぇ…。」

そう言って沖田さんは苦笑い。


「そうだ!!」


と沖田さんは何か思いついたのか、表情が明るくなる。
いや、表面は明るい表情でも、中身は真っ黒だ。


「美奈さん、ちょっと耳貸してください。」


そう言われ、沖田さんに耳を近づける。






ごにょごにょごにょ…



「えっ、でも…。」


「大丈夫ですから。」


沖田さんは終始笑顔。