「おい、平助。入るぞ。」
襖の向こうから土方さんの声が聞こえる。
「どうぞ。」と平助君が返事をする。
すると、襖が開く。
土方さんの後ろには近藤さんもいた。
「なんだ、美奈。お前起きていたのか。」
と近藤さん。
「おいおい、目ぇ覚ましたんなら報告に来いよ、平助。」
と土方さん。
「すみません。
今目覚ましたばっかりなんで、勘弁してください。」
と平助君は苦笑い。
私はこのまま寝た状態で近藤さんたちと話すのは失礼だと思い、起き上がろうと試みるが、近藤さんによって制止される。
「でも…。」と不満を漏らしたが、近藤さんは「いいんだよ。」と言って笑っていた。
平助君を見ると、今は甘えとけと言った感じで笑っていた。
近藤さんの言葉に甘え、私は寝たまま話をすることにした。
「皆さん、ご迷惑をおかけしました。」
と私は言うと、土方さんは
「まったくだ。どれだけ倒れればお前は気が済むんだか。」
と嫌味っぽく言われた。
それに近藤さんと平助君は苦笑い。
「そうそう、今日は島原で宴会みたいでな。
美奈君も目を覚ましたわけだし、一緒にどうだね?」
「美奈、どうする?」
近藤さんの誘いにどうするかと答えを促す平助君。
「せっかくの近藤さんの誘い、断るわけにはいきませんし、ご一緒させていただきます。」
「そうか、それでは待っているぞ。」
そう言って、近藤さんたちは部屋を出て行った。