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美奈、早く目を覚ませよ。
皆、待ってるんだぞ?




すると、美奈の体がピクッと動く。
美奈を見ると、うっすらと涙を浮かべていた。



「涙流してるんだったら早く帰ってこいよ。」


そう、僕は呟いた。




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私が目を開けるとそこはさっきまでいた真っ白な世界ではなく、見慣れた天井だった。

手に、違和感を覚える。

違和感のある手の方に顔を向けると、平助君が座って眠ったまま手を握っていた。



「平助君…。」



そう呟くと、彼は目を覚ました。



彼は目を見開く。


「平助君、ありがとう。」


そう笑って私は彼に言った。


「また心配させやがって…。」


そう言いながらも彼は笑顔だ。


私はこの笑顔を守るためにやらなくちゃいけないことがある。





鬼と夫婦になろう。




彼に笑顔を向ける。

「どうした?」

と彼も笑顔で聞いてくる。

「ううん。なんでもない。」



こればっかりは隠さないと、ね。