足音がピタッと止むと、広間の襖が開けられた。
襖の先には、先ほど聞こえてきた近藤さんと力士たちがいた。
「さぁどうぞお座りください。」と案内をする近藤さん。
力士たちが入り終わると、八木さんと前川さん、隊士たちが順番に広間に入っていった。
皆どんどんと座っていく。
私たちは隊士たちに混ざって席に座った。
私の隣に後から来た平助君が座る。
「平助君、お勤めご苦労様でした。」
そう笑顔で私は言った。
平助君もそれに応えるように笑顔で「あぁ。」と言った。
「皆さん、七日間ありがとうございました。
今夜は祝いの席です。存分にお楽しみください。」
と近藤さんの音頭で宴が始まった。
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宴が始まり、しばらくたったころ。
近藤さんがいきなり「何っ!?」と言って立ち上がった。
皆、何事かと近藤さんの方を見つめる。
近藤さんは「どうぞごゆっくり。」とにこやかに笑い、広間を去っていく。
ただ事ではない雰囲気が広間内に立ち込めた。
今日はなにが起こる?
8月12日…。
そこまで考えると、はっと思い出した。
ひとつの単語が出てくる。
大和屋焼き討ち事件
芹沢さんが生糸商大和屋の土蔵数個を焼き払う事件。
これで、芹沢さんの暗殺が決め手となる。

