「美奈さん、よかったですね。」
警護中、沖田さんに声をかけられる。
「はい、明日がすっごく楽しみです!!」
「そろそろ、休憩です。
中に入りませんか?」
「あ、はい!!わかりました。」
そう言って沖田さんと話しながら、中に入っていく。
この礼相撲で壬生村の人たちは喜んでくれたよねなど他愛もない話をしていると、中の方から誰かの怒鳴り声が聞こえた。
誰か、と言ってもこの声は芹沢さん。
沖田さんと気になって近づいて行く。
そこには睨み合っている芹沢さんと土方さんがいた。
すぐに芹沢さんはふんっと鼻で笑い、部屋を出ていってしまう。
それを見て、「くそっ。」と言っている土方さん。
私と沖田さんは顔を見合わせた。
二人でぼそぼそと話し合う。
「一体何があったんでしょうね?」
「僕にもさっぱり。」
「礼相撲と何か関係あるんですかね?」
「いや、それはないでしょう。
これで、壬生浪士組は少しばかりお金を稼いでますし…。」
「……。
出て行ってみますか?」
「そうしますか。」
私たちは土方さんのところに行く。
「土方さん、芹沢さんと何があったんですか?」
直球で聞く沖田さん。
機嫌が悪いであろう土方さんに直球で聞くなんて、さすがだ。
「いや、なんでもねぇ…。」
そう言って土方さんは去って行った。
「一体なんだったのでしょう?」
という沖田さんの疑問に私は「さぁ…。」という曖昧な答えしかできなかった。