それにしても…


皆いつもと違くない?
お行儀がいいというかなんというか。




皆さん、おとなしく警護に当たっていて、いつも血の気が多く、喧嘩が起こったら真っ先に加わっていく人たちが、今日は喧嘩が起こると真っ先に止めに入っていく。

いつもの皆を見ていると有り得ないぐらいおとなしかった。




そんなことを思いながら警護にあたっていく。



相撲興業は難なく一日目を終えることができたのだった。


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そして相撲興業最終日。
祇園北林で行われていた相撲興業は何事もなく最終日である五日目を終え、残るは二日間の壬生の礼相撲だけとなった。



「明日、明後日の礼相撲もよろしくお願いします。」

そう言って近藤さんが力士たちに頭を下げていく。




このとき、この礼相撲があんなことを引き起こすなど、誰も思いもしなかった。



――――――――――

「さあ、今日、明日は壬生寺で礼相撲だ!!

明日は大坂力士や京力士たちから楽しむよう仰せつかった。

あともうひと頑張りだ!!
今日も気を抜かずに警護に当たるように!!」


近藤さんが朝餉の時間に皆に伝える。


私は嬉しさで飛び上がりそうだった。

食事中なので、今は我慢、我慢…。







そして、食事を終え、警護に当たる。
警護中、私の顔のにやけがすごかった。らしい…。

自分では真顔になっていたつもりだったのだが、気持ち悪いぐらいににやけていたのだそうだ。

これは、後日、平助君から聞いた話。