「これからのこと、どう説明しよう?
気まずいなぁ…。」
呟きながら廊下を歩く。
平助君を探しながら。
まさか、つい口走ったあの一言で、皆が私と平助君のことをわかるなんて思ってもみなかった。
これからは気を付けないと…。
私はひたすら平助君を探し回る。
あ、いた。
平助君だ…。
私は思わず物陰に隠れる。
どうやって声かけよう?
どうやって話そう?
私はどうやって平助君に接すればいいの?
私は考えを頭の隅々に届くまでめぐらせる。
すると、
「美奈、そこにいるんだろ?」
と平助君から声をかけてくれた。
「えへへ…。」
私は物陰から姿を現す。
さっきまで桜の木を見上げていた平助君は、こちらに歩み寄ってきていた。

