浅葱色に射す一筋の泪






優輝菜「はい。覚悟は宜しいな?」ニコッ!


揉み合っている2人の手首を捻り、2人の脇の間にクルッと回り、2人の腕を背中に曲げ上げた。


2人は悶絶…………


優輝菜は二人とも地面に付き、手首をグイグイ上げていく。


平隊士「ぐわぁ〜〜〜〜〜〜!!!」


優輝菜「皆も疲れてるんだよ?」


平隊士「イデデデデデデデ………」


優輝菜「野次馬も止めなよね〜〜〜?」


総司「流石優輝菜! 私の出る幕は無かったね………」ケラケラ


と、去っていく総司


優輝菜「待て待て待て待て待て!!!
どうすんの………。手伝ってよ………」


土方「……………………………。
何を………。お前が伸してんじゃねぇか………。」


優輝菜「え?これだけ?終わる?また私達が行ったら喧嘩始めるんじゃないの?」


土方「そしたらまたお前が捻り上げれば良いじゃねぇか………」


優輝菜「……………………………。
喧嘩してないで寝なよ?疲れてんでしょ? 」


平隊士「ハイハイハイハイ!!!
離して下さいっっっ!!!」


優輝菜「また始めたら………
次はお前の顔面に拳めり込ませるからね?鼻の骨は折られる覚悟しといてね?

野次馬もっっっ!!! 休めるうちに休んどきなよ? こんなんで体力使うなよ〜〜〜〜〜〜?」


全「はい……………………………。」


優輝菜は2人の背中から下りて立ち上がった


優輝菜「喧嘩したいなら私んとこおいで? 相手してあげるから…………」


全員「……………………………。」


優輝菜はパンパンと、特攻服を払って去って行った


土方「優輝菜を怒らせるなよ?あいつは上様でも総理でも平気で殴れる奴だ。

銃に切り替わる前の刀の戦も最前線で戦っていた兵士だ……。

今はまだ怒ってないが……幹部であいつに勝った者はいない。左之にもだ」


総司「私に関しては意識飛びましたからね……。因みに土方さんは……素手で絞め殺すから気をつけな?

私は、止めるなんて面倒くさいことはしない。 斬る。 分かった?」


土方が実践に強いのは、やはり若かりし時に喧嘩で得たものだ。


全「……………………………。」


土方「お前らだけが疲れてる訳じゃねぇ……。みんな限界なんだ。 あんま問題起こすな! そして、下らない喧嘩で怪我しても手当はせん……。薬の無駄遣いだ………」


土方も総司も去る………。





……………………………





平隊士「……………………………。
優輝菜さんは……幹部で良いんじゃねぇか?」


兵士「新選組では銃の指南じゃ無かったか?」


平隊士「あぁ……。でも、最近は医療に力入れてたんだ。 警視庁になってから、組長では無かったな………」


兵士「強いのに勿体無いな………」