浅葱色に射す一筋の泪





土方「喋れないのか?」


父「麻酔が強いから意識は朦朧としてる筈だし、傷口が相当痛い筈だ。

次起きたら鎮痛剤の点滴も入れよう」


土方「父上。母上。優輝菜を助けてくれてありがとうございます」


母「娘を大事にしてくれてありがとう」


父「優輝菜の幸せそうな顔が見れて、俺たちも嬉しい………」


土方「あんな大人しく、弱った優輝菜を見るのは久しい………」


父「暫くは痛みでこんな感じだろう。
歳君が帰る頃にはまたグチグチグチグチ言い出すから新鮮で良いんじゃないか?」


土方「……………………………。
いつもの優輝菜が良い。安心して戦場に戻れる………」


父「日清戦争が終わるのは………。
一年か?お母さん」


母「大体一年間だったよね………」


土方「……………………………。
長いなーーーーーー………」


父「その頃にはまた走り回ってるよ」


母「戦場に戻るって騒ぐわよ〜〜〜!」


土方「新撰組を任されたから大丈夫だと思います」


父「そうか…。良かった………。」


母は優輝菜の胸のガーゼをゆっくり取った


土方「っっっ!!! こんなに大きな傷跡………。」


父「申し訳ない。 心臓の手術は大きく開胸しなければならなくてな………」


土方「……………………………。」


母「ごめんね?」


土方「優輝菜は………」


父「知ってるよ?昨日、どれ位切るのか聞かれたからね………。 でも、これから発作に苦しむことも……死の恐怖を味わうこともない。 時期にケロイド状になるから色は薄くなる…………」


母は消毒をして新しいガーゼを付けた





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それから土方が帰る前日まで傷口の痛みと高熱で意識が朦朧としていた優輝菜。


土方「大丈夫なのか?」


父「大丈夫。これはまだ想定内だから………」


母「歳君が帰るまでには話せるようになると良いんだけど………」


土方「いや……。優輝菜が大丈夫なら構わない……」




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土方「優輝菜……。戦場に戻らなきゃならない………」


優輝菜「……………………………。
(ポロポロポロポロポロポロポロポロ)」


土方「……………………………。
悪い………。優輝菜………」


優輝菜はまた土方の手を探す………


土方は優輝菜の手を握ると………


優輝菜「ご……ぶ……う……ん……を」


土方「………………………。あぁ……。
俺が帰るまでには完治させとけよ?」


優輝菜「(コクン)」


土方「良い子にしとけ」ナデナデ


優輝菜「ぁぃ……し…て……る………」


土方「俺も愛してる。行って来る」


陸「……………………………。
優輝さん……。早く元気になって下さいね……。もうすぐ優愛も産まれるし…」


優輝菜「(コクン)」ニコッ!


土方「ちゃんと治せよ?」




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