浅葱色に射す一筋の泪






軍医数名、通訳さんと共にバイクで開化派の村へ向かった


「何故勇が………」


優輝菜「私は産婆です」ニコッ!


「は………ぁ〜?」


優輝菜「祖国で産婆と、陸軍をしてました」


「ありえない」


優輝菜「妹も産婆で、両親も医者です」


「……………………………。なんと!」


優輝菜「早くっっっ!!! 産気づいてる妊婦さんは何人! 産湯のお湯を各家庭作るように言って!綺麗な布と、酒をっっっ!!!」


優輝菜は動ける妊婦さんはみんな一つの屋敷に入れ、各部屋へ割り振った


優輝菜「これの上に座ると少し楽になるよ」


と、ボール擬きを妊婦さん達に渡した。


優輝菜「陣痛が来たら力いっぱい腰を押してあげて!汗拭いたり、水あげたりこまめにね!」


立ち会い出産なんて主流ではないこの時代……。オロオロしたり、激怒する旦那様たち………


優輝菜「緊急事態だっっっ!!!妻子が死んでも構わない? こんだけの人数がいたら回りきれない! 少しは協力しろ!!! 貴族だろうが……苦しんでる妻を蔑ろにできる奴は……男として最低だ!

母子共に無事でいて欲しいと願うなら黙ってやれっっっ!!!」


「……………………………。」


ムスッとしながら妻の腰を押す旦那様方


酒でアルコール消毒して、次々に見回る優輝菜。


大体子宮口の開き具合からチェックし、今にも生まれそうな妊婦さんの部屋で待機……。


一人目を取り出すと、臍の緒を切り、止める。産湯に入れ、肌着を着せ、母の上に乗せ、母乳を飲ませる


その間に胎盤を出したり、母親の処置。


母体の出血量を測るものがない。今までの知識と勘だけが頼りだ。


子供の体重も分からない。とても残念だ。


母親の体調を診ながら次に生まれるであろう妊婦さんの様子を見に行く。


経産婦さんのが早いから、順番は当てにならない……。破水しても、降りて来ない妊婦さんは本当に焦る。24時間以内に産ませないと赤ちゃんの命が危ないからだ。苦しむ妊婦さんに部屋を歩けと促す。


帝王切開するにはあまりにも不衛生で設備が無い。


何とか全ての妊婦さんを経膣分娩させたい。全員無事に産ませてあげたい。


一人目を見ていた軍医達が率先して動き出した。軍医はお産を手伝う経験は無い。


お母さんか優衣がいたら……と、心が折れそうになる程の恐怖……。


頼れるのは唯一のお産婆さんだけ……。


この時代に帝王切開は可能なのか……。


不安だけが優輝菜を支配する。


「経産婦が破水したっっっ!!!来てくれっっっ!!!」


軍医に呼ばれ、予定外の妊婦さんの部屋に入る。