────あたしにはお返しないの? ────めんどくさいからいいでしょ? 夏樹くんは、あたしの名前を1度も読んだことがなかった。 名字さえも。 いきなり呼び捨てなんて、ずるい。 いつも隣にいたくせに、 あたしの肩をなんども借りたくせに、 勝手にいなくなるなんてずるすぎる。 サクラが泣き出す。 あたしは泣かない。 ただ、思い出す。