夏希が苦しそうにもがく。
そんなの、知らない。
あたしはそれでも、床に夏希を押し付けた。
あたしはもっともっと苦しかった。
もっともっと悲しかった。
「あんたのせいよ!あんたさえいなければあたしはもっと幸せだったのに!!」
「おねえ、ちゃ……」
涙がぼろぼろ零れて、夏希の顔を濡らした。
止まらない、涙。
でも、そんなの気にもできなかった。
だって、あたしはもう、壊れてしまっているのだから。
今のあたしを、誰も止めることは出来ない。
「夏希なんていなければよかった!死んでよっ!!あんたなんて死ねばいいのよ!」
そこまで言った後、あたしはゆっくり夏希の首を絞める手を離した。
「ゲホッ、ゲホッ」
夏希は苦しそうに咳払いをする。
あたしは腰を抜かして座り込んだまま、俯いていた。
なにもかも無くなった。
まるで全ての感情を失ったみたいに、ひたすら床を見つめた。
落ち着きを取り戻しゆっくりと起き上がった夏希は小さい声で、
「……ごめ、んね」
震えていたその声は、とても悲しそうだった。


