いや、そんなことはない。
だけど一度抱いてしまった期待は、中々消えてはくれず。
勝手な想像にただ、あたしは胸を躍らさせていた。
放課後。
教室にたった二人残った。
お互い顔を赤く染めて、向き合う。
あたしの胸は、トクントクンとうるさいくらいに響かせていた。
「あの、さ……」
田浦くんが口を開く。
「う、うん……」
あたしの緊張は、頂点に達していた。
返事はなんて言おう?
あたしも好きです、とか?喜んで、とか?
なんてことを考えていたあたしには、田浦くんの言葉があまり聞こえていなくて。
「……なんだ」
「え?なんて?」
あまりにも声が小さかったし、考え事をしていたせいだろう。
あたしは聞き返した。
すると、もっと顔を赤らめた田浦くんは、
「俺……千夏の……」
ドキッ
その先の言葉を想像して、胸が、鼓動が、とても速く脈を打っていく。
田浦くんはなにかを決意したように、俯いていた顔をバッと上げた。
「千夏の、妹の夏希ちゃんが好きなんだ!!」


