「夏希はねぇ……」
お母さんは少し考えた後、ふふっと笑った。
「希望のある人生を送ってほしいから。キラキラ輝く人生を送ってほしいからかな。あと、望みが叶うようにってのもあるわ」
「へへっ、その通りになってるよ!」
「まあ、嬉しいっ♪」
楽しそうに笑う二人を見つめながら、あたしは心に闇を落とした。
あたしは沢山のことを学び、長生きをする。
夏希は輝く人生を送り、望みを叶える。
……何故だろう?
なにか、違うと思う。
お母さん達が込めた思いが、夏希のほうが大きいと感じてしまう。
泣きそうになるのを必死に堪えて、あたしは作り笑いをした。
「懐かしい……」
ベッドから眺める天井は白いのに、あたしの心はいつだって真っ黒。
なんで、昔からあたし達はこんなにも違うのだろうか。
そして、あたしの気持ちを知らない無垢な夏希があたしを慕うのが、堪らなく嫌なのに。
いつになったら、そのことに夏希は気づくのだろうか。


