「……分かった?俺さ、お前に睡眠を邪魔されたんだよ」




 絶対、おかしい。


 いつもの先生だったら、こんなこと言わないもん。

 どこかのネジ外れたのかな?



「……あのー、誰ですか?」



 そう聞くと、先生はまたすごい形相であたしを睨んだ。


「お前、ふざけてんの?お前の担任だよ!」


「いや、あたしの担任はそんなんじゃない……」



 あたしが否定すると、先生は一瞬驚いた顔をしてから、考え込んだ。



「お前のいう先生って……」


 先生は少し俯く。

 だけどすぐ、パッと顔を上げた。



「よし!ごめんな?俺さ、眠たい時、ちょっと性格変わるんだよ」


 と言って、先生はあたしの頭を撫でる。



 あ、これだ……!


 いつもみたいに優しい笑顔と声の先生に、あたしは安心した。



 ああ、なんだ。

 眠いと性格変わっちゃうのか。


 ああ、あるあるだね。