あたしはその言葉を聞くと、すぐに冷蔵庫の所まで行き、冷蔵庫の扉を開けた。
中にはある程度の材料が詰め込まれていた。
冷蔵庫の扉を閉めてから、下にある野菜室を覗くと、玉葱に、じゃが芋、人参……
カレー、作ろうかな。
あたしはそれらを手に取ると、野菜室の扉を閉めた。
「ねえ、玲汰先生。カレーのルーってある?」
そう玲汰先生に問うと、
「そこに木の棚があるだろ?そこにあると思う」
と、一切動かずに玲汰先生は答えた。
あたしは後ろにあった木の小さめの棚の引き出しを開ける。
引き出しは3つあったけれど、一発でルーの入っている棚を開くことが出来たことに、少し嬉しくなった。
それから、あたしは慣れた手つきでカレーを作っていく。
たまに料理を作っているあたし。
今はそれほどだけど、幼い時は共働きで両親が夜遅くに帰ってくることも少なくなかったため、それこそ毎日のように二人分の料理を作っていた。
夏希も、あたしが作るカレーを美味しいって言いながら食べていたっけ?
幼かったあの時に戻りたいって思う。
まだ、二人とも仲が良くて歪んだ関係になっていなかった、あの頃に。
じゃが芋の汚れを切り取る手に少しだけ力が入って、それだけのことでじゃが芋が上手く切れなかった。
よく見てみるとじゃが芋が、丸かったはずなのに歪な形になっていた。


