午前3時、先生のカオ。







 そんなことを考えている間に、あたしの目の前には【宮城】の表札があった。


 玲汰先生に誘導され玄関まで入ると、鍵を閉めた玲汰先生があたしに言った。

「なあ、親に連絡だけでも入れといたら?心配、するだろ」



 今更、なにを言っているのかと思った。


 そんな親ならば、補導されて玲汰先生の家に泊まったあの日だって、電話の一本でもよこしていたはずだ。

 あたしだって高校生なんだし、携帯電話くらい持っているのだから。

 だけど、電話どころか次の日家で顔を合わせても、なにも言ってこなかったのだ。


 それに、あの親はあたしがどうなってもどうでもいいと思っているだろう。

 子供に暴言を簡単に浴びせられるのだから。


 夏希には、そんなことはしなかったけど。

 いや、あたしにもしなかった。

 夏希が〝生きていた〟頃は、そんなことはなかった。


 今のあたしの親は、子供を心配するという文字が最も似合わない親なのだ。


 だから、別になにも言わなくていい。

 そう、なにも。




「いいの。どうせ心配なんてしてないから」


 あたしはそう言いながら、靴を脱いで低い段差を上がった。

 そして、リビングへと繋がる廊下を歩く。


 きっと、あたしに興味ない玲汰先生はこれ以上なにも言ってこない。

 そう、思ったのだ。



「子供の心配しない親がいるのかよ」


 でも、珍しいことに玲汰先生は、あたしを呼びとめたのだ。