午前3時、先生のカオ。







 やっぱりあたしには、玲汰先生を理解できない。


 もしかして、これはまたお泊りですか?

 それを誘っているんですか?



 教師、というもののイメージをいつも簡単に壊してくれるけど。

 玲汰先生は、明らかに可笑しい。


 人としての常識ってものが欠落しているように感じた。




「ちょ、それって……」


 あたしは困惑したまま返事をする。



 帰りたくは、ない。

 玲汰先生といる方が楽だ。


 でも、それは流石に悪いし、そもそもあり得ないことだ。



 玲汰先生は相変わらず無表情で、いや、少し怒ったように、あたしに質問を投げ掛けた。


「じゃあ、どうすんの。どうせ、帰りたくないんだろ?俺が放って行ったら、そこで泣き続けるだろ?そんで通行人の邪魔になって?また警察に補導されて?また俺が、呼び出されて?んなの、面倒臭いじゃん。他にどうしろと?」




 あたしはなにも言い返せなかった。

 だって、その通りだと思ったから。


 確かに、玲汰先生が去ったとしたら、またあたしは泣き出すだろう。

 そしてまた、警察の厄介になるだろう。



 理由はよく分かった。

 でも、それと同時に、彼には〝面倒臭い〟以外の感情はないのではないかと疑ってしまう。


 それはあえて黙っておいて、少し玲汰先生を見つめた後、

「じゃあ、お世話になります……」

 と、小さい声で言った。