「ちょ、嘘!?あたしそんなに悪かった!?」
確かに理数は苦手だけど、50は取っていたのに……。
本気で落ち込むあたしを見て、玲汰先生は吹き出した。
「ははっ、嘘に決まってんじゃん。まだお前まで採点してねえよ」
「なっ!?」
「ムカついたから、仕返し」
そう言って意地悪に微笑んだ玲汰先生に、複雑な気持ちを抱く。
彼女には、どんな笑顔で接していたの?
あたしに写真に写っているような笑顔を見せたこと、ないよね。
「……本当に、玲汰先生が言うとリアル感が出るから怖いんだってば……」
そう言うとあたしは集めた紙を机に置き、髪を乾かそうと立ち上がる。
そして洗面所に向かおうとドアの前まで来た時、
「なあ、林田。このプリントの中に……」
玲汰先生がそう言ったので、あたしは振り返って、
「中に?」
「……あー、いや。やっぱなんでもない」
気まずそうにそう言った後、玲汰先生は机の上にある紙を一つずつ確認し始めた。
あたしはリビングのドアを開け、部屋から出て行く。
ごめんね、玲汰先生。
きっと、あの写真のことでなにか聞こうとしてたんだよね?
あたし、見ちゃった。


