午前3時、先生のカオ。









 まだ、あたしは玲汰先生のことを何にも知らない。


 玲汰先生が時々見せる、悲しそうな顔も。

 いつも面倒臭いと言いながら、本当は怖がっている、〝何か〟のことも。



 あたしはこんなにも傍にいるのに、玲汰先生のことを何一つ、知らないんだ。




 そう思うと、不思議と胸が痛んだ。

 悲しくなった。



 そんな感情を抱いた自分に驚きながらも、写真を見つめ、考える。





 玲汰先生も昔は、こんな笑顔が出来ていたんだ。



 たった十年。


 そのたった十年の中で、玲汰先生になにが起こったのだろう。

 どんなことを経験したのだろう。



 今の玲汰先生になったことに、この女の人は関係しているのかな?









 頭の中でそんな思いを駆け巡らせていると、ふと足音が聴こえてきた。



「玲汰先生、上がったんだ……あっ」


 そのことで、あたしは我に返る。


 ヤバい。

 紙を元の場所に戻さないと。