思い出す、宮城先生が担任になってすぐの頃を。
クラスの男子が宮城先生に聞いたんだよね、何所に住んでるのって。
宮城先生は、『生まれてからずっとこの県』って言っていた。
ねえ、一つの県だけ二つのキーホルダーが売られることってあるのかな?
それとも、ネットとかで買ったとか?
ねえ、そんなならその確率ってほとんどないよね?
それに、今朝そのキーホルダーが好きなのか聞いた時の宮城先生の反応、少し困った感じだったよね?
ってことはさ、そこまで好きじゃないってことでしょう?
思い返すと宮城先生の反応もなにか隠している感じがあったなと、気づいてしまって。
ああ、裏切られた気持ちだ。
胸が、痛いよ。
どうやら千夏にはさっきした質問の意図が見えていないようだ。
だって、楽しそうにご飯を食べているもの。
ねえ、ねえ。
あたし、疑っちゃうよ?
ていうかもう、分かっちゃった。
二人って、思っていたよりも深い仲なんでしょう?
あたしの中で膨らむ、疑問。
不信感。
こういうのって不思議なもので。
一度疑い始めたら、止まらないんだね。


