キーケースがいつもと違うことに気が付いた。
少し大きいからか、いつもは〝あれ〟が顔を覗かせているのに、今日はそれがなかったのだ。
落ちたから中に入ったのかな?と思いながらキーケースを開けてみるも……ない。
しかも、ついでにそれが付いてる鍵も……ない。
「う、そ」
「どしたー?千夏」
不思議そうにあたしの傍へとやってくる美和。
美和もゆっくりキーケースを覗いた。
「な、失くした」
可愛いピンク色のクマのキーホルダーも、玲汰先生の家の鍵も、そこにはなかった。
「なにをー?」
美和はなにも知らないため、不思議そうに尋ねてくる。
玲汰先生の家の鍵……なんて言えるはずもないあたしは、
「鍵が一つない……」
とだけ言った。
「ええ!?ヤバいじゃん、それ」
「どうしよう……」
他人の家の鍵だし、失くすなんて考えられない。
本気で焦っていると、美和が何かを思い出したように、
「あ、カフェ……とか?」
と言った。


