カフェを満喫したあたし達は、ゆっくりと帰路に着いた。
あたしと美和が幼馴染なのは家が近いから、というのもある。
学校からだとあたしの家が美和の家より2・3分遠いくらい。
「めっちゃいいお店だったねぇ」
隣で美和がはしゃいでいる。
あたしもそんな美和を見ながら微笑んだ。
「しかも、店員さんめっちゃカッコ良かったし!」
美和は嬉しそうにピョンピョン跳ねる。
そう、美和がハイテンションな理由の一つに、それもあったのだ。
確かに、注文を聞いていた店員さんはカッコ良かった。
しかし、あの人は嫌いだ。
だって頼んだものを持って来た時、あたしの方にエスプレッソを置いたから。
人を見かけで判断しないでほしい。
「そう?フッツーじゃん」
「もぅ、いつまでも怒んなくていいじゃん。あー、でも、あの時の千夏は傑作だったわ」
美和があの時のことを思い出し、笑った。
「うっさいなぁ……」
あたしは口を尖らせた。
あの時……あたしの前にエスプレッソが置かれた時、あたしはつい、
『違うんですけど』
と、店員さんを睨みながら言ってしまったのだ。
店員さんはそんなあたしに驚いた顔を見せた後、すぐに謝ってきた。
それでも怒りが収まらなかったあたしは、イラつきながらカフェオレへと手を伸ばした。


