「あた、しがね、この手で、夏希の首を、絞めたの。死んでって、言いながら、ね」
固まったように動かなくなった両親をよそに、あたしは自分の手を見つめながら話し出す。
「そしたら夏希、本当に死んじゃったぁ……はは」
あたしは訳もなく笑った。
空っぽの笑いだった。
泣くことが出来ないから、笑うしかなかったのだ。
知らなかった。
嬉し涙があるのは知っていたけど、悲しいから笑うというのは、聞いたこともなかった。
「ははは………」
俯くあたしは、一体どんな顔をしているのだろう。
作ったような笑顔なのかな。それとも苦しいっていう顔なのかな。
なんでだろうね、夏希。
自分の表情さえ、分からなくなっちゃったよ。
すると、
「バシッ!!」
すごい大きな音と同時に、頬に痛みが走った。
「お、お前ってやつは!」
震えた声で、手で、お父さんはあたしをしばいたのだ。
そのおかげで、あたしの空っぽな笑い声は消える。
あたしはそっと顔を上げ、お父さんを見つめた。
「っ……」
その時のお父さんの顔は、あたしを憎んでいるようで。


