翌日も、その翌日も、剛は化粧をし、女物の服を着て、鏡の前で切美との逢瀬をくりかえした。


日がたつにつれて、この行為に対するためらいも薄れてきた。


自分はこういう人間なのだと受け入れることで、気持ちが軽くなった。


服の種類をいろいろと増やしていった。学生には結構痛い出費だったが、切美の喜ぶ顔を思いうかべながら、服を選ぶのはいい気分だった。アクセサリーもいくつか買った。アパートに帰ると、さっそく身につけて鏡の前に立った。


「ありがとう」


鏡の中ではしゃぐ切美を見て、剛は顔を上気させた。