「何すんだよ」


剛は泣きそうな声で叫んだ。


「言ったでしょう。あなたの身体を女に近づける。つまり、あなたの男の部分を取りのぞくのよ」


切美は寝間着のズボンの中に、広げたハサミの刃をさしいれた。


その意図を察して、剛は気を失いそうになった。


冷たい金属の感触がそれに触れると、剛は頭をふりまわしながら、言葉にならない悲鳴をわめきちらした。首から下は、直立不動だった。


切美はそれを楽しむかのように、ハサミの取っ手をにぎる指に、ゆっくりと力を入れた。


ハサミの刃は、ゆっくりとそれに食い込んでいった。切れ目から桃色がのぞくと同時に、赤い血がいきおいよくあふれだし、それから黄ばんだ白い汁がにじみ出たあと、それは切り落とされた。


剛は天井をあおぎ、がっと短く叫んだあと、そのまま頭を後ろにたおして動かなくなった。


切美はズボンの中に手を入れて、切り落とした肉塊を取りだすと、すぐに投げ捨てた。


畳の上に落ちたそれは、醜くちぢこまっていた。


切美はそれを見下ろして、優しくつぶやいた。




「さようなら、剛君」






おわり