クールで不器用な君。



部屋に入ってしばらくすると、



コンコンとノックの音がきこえた。




「山瀬さん、家案内してくれない?なんか広いからよくわかんないし。」




「あ、うん。」




広いといっても、普通の家に比べたらで、本当の豪邸にはかなわない。




「えっと、トイレは3つあって、一つが2階のそこで………1階はあそこ。で、その横がお風呂と洗面台。リビングはここで、キッチンはそこで………」




と、部屋の一つ一つを回った。




「山瀬さんの家って、一つ一つの部屋が広いんだね。」




「そうなんだよねぇ。私的にはお風呂もあんなに広くなくていいと思うんだよ。」




お風呂にライオンの口からお湯が出てくるようなものは要らないと思うんだよね……。





隣にいた七瀬くんは時計をみると口を開いた。




「もうそろそろ夕飯作った方がいいんじゃない?」




時計を見ると、既に7時。




「そうだね。じゃあ今日は私が作るね。何が食べたい?」




「美味しければなんでもいいかな。」




なら………カルボナーラ?



オムライス?



いや、無難に和食とか?



うーん。



「せめて和食、洋食、中華から選んで下さい。」




「じゃあ和食。」




「了解です。七瀬くんはソファでテレビでもみてくつろいでていいよ。」



「じゃあお言葉に甘えて。」