屋上にてお昼を過ごす私と雄太くん。
本当は七瀬くんと裕美ちゃんも一緒がよかったけど、作戦会議だから……。
「この調子でいけば大丈夫そうだぜ?」
「そうなの?」
「だってさ、朝なんかわざわざ俺達の間を通るって……。それに、授業中もアイツずっと瑠璃ちゃんこと見てるし、教科書もいつもは見ないくせに忘れたふりして瑠璃ちゃんに近づいたり……。アイツ絶対奪おうとしてるだろ……。」
そう、なの……かな?
私は、ん?と首をかしげると呆れたようにため息をつかれた。
「天然無自覚にも程がある……。」
「何を言っておられます、雄太くん殿。私は決して天然無自覚ではございませんぞ?」
「ぶはっ、なにその喋り方。」
ひぃーっとお腹を抱えて笑われた。
「はぁ…、はぁ。あ、いいこと思いついちゃった。」
雄太くんは何かを思いついたように急に喋るボリュームを少し上げた。
「瑠璃ちゃん、俺の事好き?」
「うん、友達として好き。」
「俺も………。」
急にそんなこと聞いてきて何がしたいのだろう。
「あ、七瀬だー。って、どうした?もしかして妬いた?」
そんなとき、タイミング悪く七瀬くんがやってきた。
雄太くんは七瀬くんに向かって見透かした様子でうかがう。
「ち、違う……。」
「じゃあなんでそんな焦ってるんだよ」
「別に。」
「あーそう、まあいいや。今瑠璃ちゃんとイチャイチャしてたところだから邪魔すんなよー。」
「イチャっ……!?」
別に作戦会議?してただけだよね!?
あ、もしかしてこれも茶番。
「む……。」
その言葉に顔をしかめる七瀬くん。
「え、七瀬くん!?」
七瀬くんは肩がくっつきそうなくらい近づいて座ってきた。
「別に良くない……?」
胸がドキドキ言って鳴り止まない。