クールで不器用な君。






翌朝、うちに佐伯が来た。






瑠璃と一緒に登校するために。





「瑠璃ちゃん、一緒に学校行こう。」





「え……うん。」




二人は家を出ると並んで歩いて行った。




と同時に嫌がらせをするかのように俺は二人のすぐ後ろを歩いた。




しかし、佐伯はチラッと俺の方を向き、ニヤッとすると瑠璃の手を取り、指を絡めるようにして繋いだ。




いわゆる恋人繋ぎとやらだ。




瑠璃は少しびっくりした様子。






見せつけるため、か。





そんな二人を見て我慢が出来ず、俺は手で繋いでいた手を斬るかのようにして二人の間を裂くようにして通ってやった。




「よっと……。」




「ちょ、おい七瀬!」




「へ?」





「ごめん、通行に邪魔だったから。」




何事もなかったかのように二人の前を歩いた。





ちょっとだけ「やってやったぜ。」という満足感を秘めながら。