クールで不器用な君。






帰り道、雄太くんはわざわざ私の家の方向に来てくれた。





付き合っているふりだけど、誰も見ていない今は手も繋がない。





「それにしてもさ、七瀬なんか冷めてるよな。」





「そうかな。」




「ショックとか受けて無さそうに平然としてたし。なんかこの先作戦がうまくいくのか不安になってきたんだけど。」





「作戦でどんな効果が出るのかはよくわからないけど、私は雄太くんを信じるから。」





七瀬くんが好き。



でも、距離が近いからこそ振られたときに家でも学校でも顔が合わせづらくなる。




そうなるのが嫌でなかなか言い出せなくなってしまう。




だから今はこうするしかないのかもしれないんだよ。




「俺も『友達』として頑張るさ。」