クールで不器用な君。





昼休みになっても教室のざわめきは収まることはなかった。






私と雄太くんが付き合っているという噂は既に教室内を飛び越え、隣のクラス、はたまたその隣のクラスにまで知れ渡っており、廊下を歩くだけで好奇な目、略奪心ある目、もの悲しな目を一直線に感じる。






足早に教室に戻る。




「雄太くん、ちょっと来て。」




「あ、雄太、彼女さんとイチャイチャでもしてくんのかよ。」




「ひゅーひゅー!」




冷やかしの声が聞こえる。




雄太くんの腕をつかむと屋上へ向かった。





「瑠璃ちゃん、どうしたの?」




「どうしたのじゃないよ!どうしてあんなこと言ったの?」




「あー、茶番の話ね。」




うんうんと大きく頭を縦に振る。





「あれはわざとで、作戦なんだぜ?その名を、【七瀬にアタックしてもらおう作戦】」






「へ?」