「もう、話したらきりがないな。瑠璃姉、僕のメアドと携帯番号知ってる?」
「あ、知らないや。」
「んじゃ、携帯貸して。」
ポーチから携帯を出すと、ひょいっと迅人くんに奪われ、手早く赤外線で連絡先を交換した。
「はい。んじゃ、なんでも相談するからいつでもかけてきてよ。」
「うん。でも、迅人くん字受験勉強で忙しいだろうし程々にしとくね。」
「また次会う時な!その時までに告レよー!」
と言って、颯爽と行ってしまった。
さて、私も七瀬くんたち探さなきゃ。
あ、そうだ電話すればいいんだ。
丁度手に持っていた携帯で七瀬くんに連絡をした。
『もしもし。瑠璃?今どこ。』
「あ、七瀬くん。今は……どこだろう、ここ。」
『はぁ?』
電話越しでもわかるくらい怒っている様子の七瀬くん。
『はぁ……じゃあ赤い橋のところで待ってるからすぐ来なよ?待ってるから。』
「うん、わかった。」
電話を切ると、一目散に七瀬くんの居る赤い橋へと向かった。
迅人くんと話していて時間も経った所為か随分人も減って通行も至って順調。
しばらくしてやっとその橋に辿り着く。
隅で腕を組んで立っている浴衣姿の男の子。
まだ残っていた女の子たちがチラチラと見ながら話をしていた。
一人の女の子が私の目の前でその男の子。
七瀬くんに話しかけた。
「あの、一人ですか?これから私たちとカラオケ行きません?」
あ、これってまさかの逆ナンってやつ?
でも、その相手が七瀬くん……。
やっぱりモテますよね。
なんか嫌だなぁ……。
「無理。人待ってるから。それに、この時間から行ってたら帰るころには警官に補導されるよ。」
冷たく言い放つ。
「それは残念。あ、じゃあ連絡先だけでも……。」
「瑠璃っ。」
その時、七瀬くんは私に気が付いて女の子を無視して私の元へやってきた。
「な、七瀬くん。女の子いいの?」
「なんで?知らない人だし。別に興味ないから。」
「そ、そっか。それより、裕美ちゃんと雄太くんは?」
「あぁ、先帰ったよ。真中は門限がー。とか言って、佐伯は急に電話が来て、バイトのシフトがー。とか言って帰った。」
なんだ。
まあ、待たせてたからしょうがないよね。


