迅人くんも、物陰から見守っていた第三者的な立場でみていたらしい。
簡潔に言うと、昔私と七瀬くんは結婚の約束をしていたらしい。
「そう……だったんだ。」
そしてその時に約束の証としてあげたのが『ビーズの指輪』だった。
約束の内容がはっきりとした今、絡まった一つの糸が解けたようだ。
でも結婚なんて、小さい頃の話だし、今となっては無意味なことなのかもしれない。
あのとき七瀬くんが『ビーズの指輪』について聞いてきたのは思い出してほしかったから?
「きっぱり言うけどさ、瑠璃姉って藍の事好きだよな?勿論恋愛的な意味で。」
私も今さっき気づいたばかりだというのになぜそのことを_____!?
「あ、そのっ……え?なんで?」
「見てればわかるって。」
私が七瀬くんを好きだってこと、私より前から気づいてたってこと?
「告白するなら、『私、藍くんのお嫁さんになるわっ。』とか、『私、あの約束を果たしたいのっ。だから私と結婚して頂戴。』とか?」
「え、待って。何その逆プロポーズ的な台詞。」
「ん?」
何か?とでも言うよな間抜け面をしてこちらを見る迅人くん。
七瀬くんもおんなじことやってたなー。なんてね。
「だって、もうこれは結婚を前提に付き合っちゃいます的な感じじゃないの?」
「そもそも、それは両想いだった場合であって、決してそんな……私と七瀬くんが両思いだなんて……。」
「もう、この話の流れからして二人とも両想いじゃない?そう考えるのが普通でしょ!?」
迅人くん、もうキャラ崩壊してるよね。
うん、もういいや。
慣れない恋愛話で頭がショートしそうだ。


