クールで不器用な君。






花火も無事終わり、道には家に帰る人たちが大勢居た。






「るーりーねーーーえーーーーー!!」






どこからか私の名前を呼ぶ声。





この声はきっと迅人くん。





でも、どこに居るんだろう。





人が居過ぎてどこに居るのかわからない。





瞬間、手首を握られ、ズルズルと引っ張られる。






気付けば、道はずれで人が通らない場所へと連れてこられていた。





「瑠璃姉みーつけた。」




「は、迅人くん!?」




「へへっ。」




「へへっ。じゃないよ。いきなり引っ張られてびっくりしたんだから。」




「ごめんごめん。」




「で、どうしたの?」




「いやあ、瑠璃姉見つけたから話がしたくて。」




だからって、無理矢理連れてこなくたって……。




七瀬くんたちともはぐれちゃったし。




「話って?」




早く済ませて合流しなきゃ。




「この間帰り際に言った事覚えてる?」




言葉……




『瑠璃姉は藍のお嫁さんになるんでしょ?』





だっけ。





「それが……どうしたの?」




「んーと、瑠璃姉にその真相を伝えておこうかなって思って。」





だって瑠璃姉、いつまで経っても思い出しそうにないし。





と言って話し始めた。