「次は射的やらない?」





「うんっ。」




「む……。」




射的屋のおじさんにお金を渡すと、雄太くんは鉄砲を持った。





「瑠璃ちゃん、欲しいのある?」





「あれ……。」




猫のぬいぐるみ……かわいい。






「よし、任せろっ。」








その時、誰かに腕を掴を引っ張られ、人混みの中引かれるがままに私は歩いた。






提燈や電球の光に照らされて見えたのは、七瀬くんの曇った表情。





どうしたんだろう……?






雄太くんも置いてきちゃったし。






「七瀬くん。」






「っ……。」





「七瀬…くん?」




呼びかけても返事はなくて、いつの間にか屋台のある場所から離れた木の根元にやってきていた。