クールで不器用な君。






「あ、どうも……。」



ウトウトしながらも挨拶をする。




「お母さんたちびっくりだわぁ。あたしたちが居ない間に二人が…ねぇ。」




「パパは、相手が藍くんだったら許すぞ!」




「待って、私たち付き合ってないよ?」




「「え?」」




「なーんだ。残念ねぇ。」




「まぁ、いずれそうなってくれるといいんだけどな。」





「もう……。」




「あ、そういえば!」




唐突に思い出したかのように言い出すお母さん




「どうしたの?」




「実はね、日ごろ家を留守にして寂しい思いをさせてきたお詫びと言ったらなんだけど、旅行のチケットをあげようと思って。」




手渡された封筒に入っていた4枚のチケットには『温泉旅行』と書かれていた。




「温泉旅行?」




「そ。近くに海もあるのよ?瑠璃に藍くん、あと友達も誘って行って来たらどうかしら。あたしたちも休みが取れればいいんだけど、連休は難しいし、お互い時間が合わないから…。」





「ありがとうっ。」




なら、あと二人は裕美ちゃんと雄太くんを誘おうっと。





「楽しんでくるんだぞ。くれぐれも、ああいうことはしちゃダメだぞ?」





「ああいうことってなに?」





「大丈夫ですよ。」




七瀬くんはどうやらわかってるみたい。