クールで不器用な君。






少しして、七瀬くんは完全に寝てしまった。




太ももに七瀬くんの寝息がかかってくすぐったい。





正座で座らなかった分痺れはしなくて済むからよかった。





そっと七瀬くんの髪を撫でてはいじっての繰り返しをしていた。




耳としっぽが生えてるんじゃないかなってくらい七瀬くんが猫に見えてくるなぁ。




猫も、寝ているときって警戒心が解けるからものすごくかわいいんだよね。





七瀬くんって、無愛想でクールでもモテるけど、笑ったらきっと今よりモテちゃうんじゃないかな。





そんな時だ。



タイミング悪く玄関から大人の……聞き覚えのある声がした。





「ただいま~。瑠璃~?帰ってきたわよ~。」




「お父さんもかえって来たぞ~い。」




っど、どうしよう。




「七瀬くん、七瀬くんっ。」





体を軽く揺さぶるも起きない。





お母さんたちがリビングに来ちゃう……!




ガチャ





「瑠璃、今日はいいものを……って、あ……そうか。二人はもうそういう関係だったか。すまんな。」





「あら、ごめんなさいね。お邪魔だったかしら。」





お父さんとお母さんの声が近くでした所為か七瀬くんは肩をピクリと動かし、目覚めた。