ジェームスさんとの話が終わり、部屋に戻ると、珠璃が酷くうなされていた。慌ててジェームスさんを呼びに行き、珠璃を起こした。


『これがジェームスさんの言っていた『悪夢』なのか…?』

『そうだよ』

『え…?』


ジェームスさんはしゃべっていないのに、ジェームスさんの声が聞こえた。


『君にも少し霊感があるみたいだね。でも、元々持っていたワケじゃない。それは珠璃のだ』

『どういう意味ですか…?』

『珠璃の霊感が少し移ったんだ。でも、安心して。あの夢を見るくらいに強くはないよ』

『分かりました』

『じゃ、行くよ』

『…はい』


ジェームスさんは出て行った。


「何であんなに慌ててんだろ?」


珠璃が頭の上にハテナを浮かばせながら言った。


「…さぁな」


少し冷たく言い過ぎた。


「…?」


珠璃の頭の上のハテナが一つ増えた。