モテるんは俺の趣味やっ!

「あたしにお世辞いうたかて、なぁんにも出えへんで」






あたしが肩をすくめて言うと、たっちゃんが目をまんまるにした。






「はぁ? お世辞?


なに言うとんねんて。


俺がミサキにお世辞なんか言うわけないやろ?」






「ほぉう?」






「思うたことそんまま言うただけや。



ミサキてスタイルええし、なんでも似合うに決まっとるやん」






たっちゃんがけろりとして言い切る。



あたしはしばし呆然としてしまってから、はっと我に返る。






「………なっ、なんやねん!!


スタイルええとか………さぶっ!!


セクハラや、セクハラ!!



あんた社会人なって部下の若い女の子とかにそない言うたら、即セクハラで訴えられんで!!


覚えとき!!」






「えぇっ、なんでセクハラなるん?


だって褒めてんねんで?


褒めてんやったらええやろ?」






「どんな理屈やねん!!


それはセクハラ親父の常套句や!!」