モテるんは俺の趣味やっ!

「………べつに、ああいうん着たいとも、ああなりたいとも、思わへんな。


見るぶんには普通に可愛ええなぁとは思うけど、自分が着るんは、なんかちゃうなぁ。


そもそも、どない考えても似合えへんし」






「そかぁ?」






たっちゃんが首を傾げて、あたしを上から下まで見る。




………居心地わるいっちゅうねん。






「なんやねん、そない見んなや」





「やー、ワンピース姿のミサキを想像してみてんけど」





「きもいやろ」





「きもいわけあるかい。似合うとんで」





「はぁ?」







なに抜かしとんねん。



とち狂うたか?




あたしは、お世辞にも『可愛ええ』タイプではない。





女にしてはか背が高いし、痩せぎすで柔らかみのない身体つきだし。




顔もなかなかにきっつい。




真っ直ぐすぎる髪も、太くて硬いし。





つまり、乙女チックなファッションなど、とうてい着こなせるはずもない容姿をしている、ということだ。





せやから、たっちゃんの言うたことは、完全に機嫌とりや。



真っ赤な嘘や。