モテるんは俺の趣味やっ!

「可愛ええ子ぉやな」





あたしが言うと、たっちゃんも、「せやなぁ」と頷く。






「服も髪も、えらいふわふわしとって、いかにも女の子て感じで、かわええな」





するとたっちゃんが、意外そうに眉を上げた。






「なんや、ミサキもそないなこと思うんやな」





「そら思うがな」





「あんなん着たいとか思うん?」







あたしは自分の着ている服を見下ろす。




白地に黒字で『LONDON』と小さくプリントされただけの、素っ気ないTシャツ。



紺色のジーンズ。



グレーのパーカー。





まぁ、地味なもんや。






ちなみにヘアスタイルは、生まれたままに真っ黒で真っ直ぐで、華やかさのかけらもない。





ついでに言うと、メイクと呼べそうなのは、すこぉーしベージュの色がついた日焼け止めくらい(さすがのあたしも、将来シミだらけになるんは嫌)。




マスカラとブラウンのアイシャドーくらいは持ってるけど、眠いときに目がこすれないのが不快で、ほとんど使ったことはない。





というわけで、服装に負けず劣らず、あたしの頭部もすこぶる地味だ。