たっちゃんは煙草をくわえると、大きく一息吸った。
そして、すぅ、と細く吐き出す。
携帯灰皿を取り出して火を消しながら、たっちゃんが空を仰いだ。
つられて、あたしも視線を上げる。
微かな風にさわさわと揺れる暗い梢の向こうに、濃い群青色の夜空。
そして、ぽっかりと浮かぶ、白い三日月。
「きれいな月やなぁ」
たっちゃんも、おんなじことを思ったらしい。
あたしは「ん」と小さく頷きながら、ミルキーをもう一粒とりだして、口に放り入れた。
しばらく、穏やかな沈黙が流れる。
ミルキーを転がしながら月見をしていると、向こうから、女の子の高い笑い声が聞こえてきた。
あたしもたっちゃんも、なんとなくそちらに視線を移す。
女の子は、彼氏の肩に頭を乗せて、嬉しそうに頷いていた。
きれいにメイクされた顔は、オレンジ色のチークのせいか、夜に似合わず華やかで明るかった。
明るい茶色に染めて、ていねいに巻かれた、柔らかそうな髪が揺れる。
薄いピンク色の、レースをふんだんに使ったワンピースが、薄闇のなかに浮かび上がっていた。
そして、すぅ、と細く吐き出す。
携帯灰皿を取り出して火を消しながら、たっちゃんが空を仰いだ。
つられて、あたしも視線を上げる。
微かな風にさわさわと揺れる暗い梢の向こうに、濃い群青色の夜空。
そして、ぽっかりと浮かぶ、白い三日月。
「きれいな月やなぁ」
たっちゃんも、おんなじことを思ったらしい。
あたしは「ん」と小さく頷きながら、ミルキーをもう一粒とりだして、口に放り入れた。
しばらく、穏やかな沈黙が流れる。
ミルキーを転がしながら月見をしていると、向こうから、女の子の高い笑い声が聞こえてきた。
あたしもたっちゃんも、なんとなくそちらに視線を移す。
女の子は、彼氏の肩に頭を乗せて、嬉しそうに頷いていた。
きれいにメイクされた顔は、オレンジ色のチークのせいか、夜に似合わず華やかで明るかった。
明るい茶色に染めて、ていねいに巻かれた、柔らかそうな髪が揺れる。
薄いピンク色の、レースをふんだんに使ったワンピースが、薄闇のなかに浮かび上がっていた。



