「まっ、そんなんえーからさ。


ミサキ今日バイトない日ぃやんな?

今からカラオケ行こーやぁ」







たっちゃんはけろりとした顔で言うけど。


あたしは思いっきり眉をひそめて、「はっ? 今から?」と不機嫌な声で答える。







「なに言うとんの、あほちゃうか。


あたし3限授業あるっちゅうねん」







「あ、そやったっけ?

そか、今日、金曜日やもんな。


ほな、終わってから行こ。

なんも用事ないんやろ?」








たっちゃん、めげずに無邪気さ全開で笑いかけてくる。




そんなふうに言われると、素直に『なんも用事ない暇人です』とは言えない、この乙女心。








「ないけどなぁ。

せっかくなんの用事もないフリーダムな日ぃに、なにが悲しゅうてあんたと遊びに行かなあかんねん!


あんたとおるとな、なんかエネルギー吸われて、えらいしんどいねん!」