モテるんは俺の趣味やっ!

「可愛い顔しとるやん、こいつ」






あたしが言うと、たっちゃんは子猫の身体をこっちに寄せてみた。






「撫でてみ、ミサキ。


こいつの毛ぇ、ふわっふわやで」






「えぇ………あたしが触ったら逃げるんやない?」






あたしの家は犬も猫も、クワガタでさえ飼ったことがないので、あたしはどうも動物の扱い方に自信がない。






「大丈夫やって。


ほれ、触ってみぃや」






「うん………」







そろそろと手を伸ばすと、子猫はじいっとあたしの指先を見つめている。






「そない恐る恐るいったらあかんよ。


動物は人間の気持ち分かるんやから、こっちがびくついとると、何かされるんか思て逃げんねん」






「えぇ、そぉなん……。


でもいきなりいったらびっくりしてまうんやない?」






「ええって、ほら」






「わっ!!」






びっくりしたぁ!!




たっちゃんがいきなりあたしの手首をつかんできたのだ。





たっちゃんはそのまま、あたしの手を子猫の背中に乗せた。