モテるんは俺の趣味やっ!

「ミーサキー」






噂をすれば影。




たっちゃんのことを考えていたら、突然たっちゃんが目の前に出現した。





その手には、肉と野菜がもりもりに盛られた紙皿が乗っている。







「………びっくりしたぁ。


いつの間にこっち来てん」







あたしが小さく呟くと、たっちゃんがにこっと笑う。







「ミサキがさみしそーにひとり酒しとったから、たっちゃんが参りましたよ」







はぁっ!?



なんやって!?



その言葉、聞き捨てならんっ!!







「なに言うてんねん、あほか!!


だれがさみしそうやねん、あたしは一人で飲む酒が好きなんや!!」







あたしが眉をひそめて言うと、たっちゃんは赤ん坊でもあやすように、あたしの頭を撫でてくる。







「はいはい、分かっとるって。


ま、飲みましょうや。


食べもんもあるで」






たっちゃんがにこにこしながら紙皿を差し出してきた。







「………おおきに」







正直、ちょっぴり、お腹が減っていた。