モテるんは俺の趣味やっ!

「んー、よう言われるわ。


でもな、たっちゃんて、彼女はおらへんねん」







あたしが答えると、タクヤが意外そうな顔をする。







「えー、なんでですか。


あないモテはるのに」





「さぁなぁ、よりどりみどりすぎて、一人に絞られへんのちゃう?」





「うわぁ、うらやましわぁ。


そんなん、いっぺんでええから言ってみたいわ」






タクヤが目をまんまるにしているのが、ちょっと笑える。







「やめときやめとき。


たっちゃんみたいなちゃらんぽらんなったら、人生終わりやで」






「うわ、ミサキさん、毒舌やー」






「しょうもないこと言ってへんで、早よ肉食べてき」






「はーい、お邪魔しましたー」






タクヤはぺこりと頭を下げて、バーベキューの輪の中へと駆け寄って行った。