モテるんは俺の趣味やっ!

ま、ほんまはたっちゃん、『愛』てつく歌だけやなくて、インディーズバンドの曲もよく歌うんやけど。



でもたっちゃんは、インディーズ好きなことを、あたし以外の前では秘密にしてんねん。



理由はもちろん、『マニアックな音楽好きとか言うと、話合わん思われて、女の子にモテへんから』。





ほんま、どうやって一人でも多くからモテるか、しか考えてへんねん。



呆れて物も言われへんけど、あたしは仕方なくそれに付き合ってあげて、適当にごまかしたってるわけ。






ところで、あたしの必死の弁論は、完全に裏目に出たらしく、マノさんは目を輝かせてたっちゃんカラオケトークを聞いていた。






「そーなん!? 愛の歌だけ!?

そんなん、めっちゃおもろいやん!!


やっぱたっちゃん可愛ええわぁ、最高や」





「………さいですか」





「もー、ミサキちゃん、たっちゃん独り占めせんとってやー」





「いえいえいえ、あないあほくさいやつ、熨斗つけて差し上げますんで、どーぞお納めください」





「うそやん、なんだかんだでいっちゃん仲良いやんか」





「気のせいです!!」






ほんまにもー、このサークルの人らの『たっちゃん病』、どうにかしてほしいわ。