あたしが呆れていると、横でくすくすと笑いが洩れるのが聞こえてきた。






あっ、せやったわ!!



ヤマモトさん、おってんやん!!






ヤマモトさんは笑いを堪えきれないように、口許を軽く押さえている。



ひとしきり笑ってから、あたしとたっちゃんの頭を、ぽこん、ぽこん、とはたいた。







「もー、ほんま、あほなやつらやな。


ほんま、どこの夫婦漫才やねん。


お前ら、息ぴったりすぎるわ。

ごっつぅおもろいわ」






「俺はおもろい言われることやのうて、モテる言われるんを目指しとるんですけど」






「いや、自信もち、お前は生きとるだけでおもろいで」





「そない殺生な……」






情けない声を出したたっちゃんを、ヤマモトさんはもう一度はたいた。