モテるんは俺の趣味やっ!

「あっ、ヤマモトさんおるやん!!」






たっちゃんが目ざとく見つけて、ガラスを叩きはじめた。






あたしは少し焦って、ごんごんとガラスを叩くたっちゃんの手首をつかむ。







「ちょ、たっちゃん!!


わざわざ呼ぶことないやん!!」







あたしに止められたことがよほど意外だったのか、たっちゃんはきょとんとした顔であたしを見下ろしてきた。







「えっ、なんでー??

我らがヤマモト先輩やん、挨拶しとかな」






………そう。




ガラスの向こうで、ぼんやりとした顔でパチンコ台に虚ろな視線を投げているのは。



サークルの一学年上の先輩で、三回生のヤマモトさんだ。






ゆるいウェーブのかかった長髪をなびかせて、くわえ煙草でキャンパス内を闊歩する、たっちゃんに勝るとも劣らない我が大学の異端児・ヤマモトさん。





わけあって、正直あたしは、ヤマモトさんとはなるべく接触したくないのだ。






それなのに。